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登山アルバム

(徳島県 三嶺北西尾根〜三嶺〜西熊山北尾根 周回 2006.12.24)

使用カメラ SIGMA SD10 レンズ 18-50mm F2.8 EX DC

今年の12月は去年に比べて暖かく四国の1900m級の峰にも積雪が殆どありません。最高の天気に恵まれたクリスマスイブのこの日。かねてから歩きたいと思っていた三嶺北西尾根から三嶺、そして西熊山北尾根を周回します。
最初、三嶺北西尾根へは「ふるさと林道」久保蔭谷橋東側のいつもの場所から取り付きます。
急坂の杉林帯を抜けると周囲には笹が見えはじめ、ダケカンバなどの広葉樹林、ウラジロモミなどの針葉樹林が現われ風格がある白骨林の横を通って最後の急坂を登りきると一気に視界が開けて1806m峰に出ます。
ここからの眺めは三嶺、西熊山から牛の背に至る広大な台地にミヤマクマザサの群落、その間にコメツツジが点在する大パノラマが広がっており、「雲上の日本庭園」の呼び名にふさわしい風景です。
1806m峰からはミヤマクマザサの間の気持ちのいい縦走路を三嶺へ。三嶺山頂で大パノラマをゆっくり楽しんだ後は
縦走路を西熊山方面へ。西熊山東側から西熊山北尾根を下って駐車場所に向かいます。
この日のメインルートである三嶺北西尾根や西熊山北尾根は一般的な登山道ではなくて全コース獣道や人口林の伐採跡をたどる急坂の厳しいコースで、標識はありませんしテープの類も僅少です。また他に登山者も殆どいないため必ず自分でルートファインディングしながら進む必要があり詳細な地形図、磁石と地形を見る確かな目が欠かせません。また事前にGPSに詳細なルートデータを入力しておきます。初心者が単に三嶺や西熊山への最短ルートだと気軽に考えて三嶺北西尾根や西熊山の北尾根へ入るのは大変危険です。読図力や地形を見る目が備わった登山経験豊富な上級者が必ず同行し、十分な時間の余裕を持って行動してください。また、野生生物の生息域の真ん中を通っているため、彼たちの平和な生活を乱すことなくそっと通り抜けたいところです。
行   程 所要時間
駐車場所出発 9:27 2時間25分
1806m峰 11:11
三嶺山頂 11:52
三嶺出発 12:05 3時間50分
西熊山北尾根分岐 13:27
渡川地点 14:45
駐車場所帰着 15:55


標高、緯度、経度
登山口 1,064m N33”51’20.55” E133”58’04.85”
三嶺山頂 1,893m N33”50’22.00” E133”59’15.50”


カシミール3Dによる登山ルートの展望図です。


「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第172号)」
GARMINのGPSmap60Csx によるトラックログを地図上に表示しています。


GARMINのGPSmap 60Csxによるトラックログをグラフにしました。
総歩行距離9.718Km 累積標高差+1,179m −1,179m 
所要時間6時間28分(昼食、休憩を含む)




国道192号つるぎ町貞光で剣山の案内板を目印に国道438号に入り見ノ越方面へ。
一宇古見の集落を抜け、伊良原で「菅生」の案内板を目印に「明渡橋」を渡り小島峠を経由して東祖谷の菅生へ。菅生からは「いやしの温泉郷の前を通りふるさと林道を走ると
三嶺北西尾根登山口に到着します。
他のアクセスとしては、国道192号徳島県三加茂町で深渕方面の案内板を目印に県道44号に入り深渕から落合峠を越えて落合から国道439号を剣山方面へ少し進み久保で西山農道の標識を目印に西山林道に入るコースや、国道32号から国道439号に入るコースなどがあります。



今日は、友人「あとみっく」さんと一緒に登ります。
あとみっくさんの愛車ジムニーに便乗させていただき、ふるさと林道「久保蔭谷橋」東側の登山口に到着しました。
土捨て場として使われている広くなった場所にジムニーを駐車して登山準備をします。
徳島登山界の大御所「やぶ山」さんの車がすでに駐車中で、すでにここから三嶺北西尾根に取り付いているようです。

向かい側の峰が朝日を浴びてキラキラと輝いています。


「久保陰谷橋北詰め」と「土捨て場」の中間附近の法面から取り付きます。
附近には明確な目印が無いので分かりにくいのですが、注意深く探すと東側の稜線に向かってジグザグに尾根を登る作業道を見つけることができると思います。

この場所の北東側(左側)斜面は地盤の崩落が進んでいて危険ですから立ち入らなでください。


杉林の間の作業道を進みます。
つい最近間伐されたのか杉の真新しい切り口が見られます。



杉の人工林地帯を抜けると周囲は明るくて気持ちのいい自然林に変わりました。
気温も低くて歩きやすいので休まずにグングン高度を上げて行きます。


高度が上がるにつれて周囲に笹がでて来ました。今の季節はさほど笹も深くなくて歩きやすいです。


標高1500m付近からは積雪が見られますが今年は例年と比べて驚く程積雪量が少ないです。


ケルン地点に到着しました。ここからしばらくは斜度の緩い稜線歩きです。


大岩は横のケルンを目印に左に捲いて登ります。



急坂を登りきってコルに出ました。木々はまばらになり陽光が降りそそぐ明るくて快適な尾根道を1806m峰に向かって進みます。


風格のある白骨林。
三嶺から西熊山へ続く稜線と下山予定の西熊山北尾根がきれいに見えています。


遠く石鎚山系の峰々がシルエットで見えます。


先行していた「やぶ山」さんに追いつきました。徳島登山界のマドンナ Yさんもご一緒で、偶然の出会いにビックリです。
以後の行程は一緒に行動させていただくことにします。


ミヤマクマザサの間にコメツツジが点在する広大な尾根を4人で1806m峰に向かって進みます。


1806m峰に到着しました。
ここでしばらく大パノラマを楽しんだ後三嶺に向かって出発します。


三嶺頂上が見えてきました。


快晴無風の三嶺山頂です。
歩いてきた1806m峰から三嶺までの縦走路が見えています。
後方には11月に歩いた落合峠〜寒峰への稜線もクッキリ見えます。


空気が澄み切っているのか遠くまでクッキリと見えます。


頂上では別のグループ4名が休憩中。
北西尾根から登り、いやしの温泉へのルートを下山するそうです。

紅葉シーズンが終わり登山者もずいぶん少なくなりました。


西熊山に向かって広大な尾根の縦走路を進みます。
右側に矢筈山系の山々見え、前方には石鎚山系の峰々がシルエットになっています。


緩やかなピークを越えて進みます。


紅葉の頃までは多くの登山者で賑わったこの縦走路も冬枯れの季節を迎えて歩く人が極端に少なくなっています。
私たちがこの日出会ったのは、2グループ3名だけでした。


空気が澄んでいて飛行機雲がクッキリと見えます。
素晴らしい景色を眺めながらここで昼食を食べます。


昼食を終えて出発します。
西熊山が大きく見えてきました。今回は右側に見える北尾根を下ります。


西熊山北尾根分岐付近から見る三嶺。
歩いてきた縦走路がよく見えます。


矢筈山や落合峠を正面に見ながら祖谷の谷に向かって西熊山北尾根を下ります。


この付近は三嶺北西尾根と比べても優劣が付けがたい程素晴らしい手つかずの自然が残っています。


素晴らしい形をしたブナやミズナラの巨木が迎えてくれます。


駐車場所に戻るため「三嶺北西尾根」と「西熊山北尾根」の間の谷を渡ります。


杉の人工林地帯を進みます。


作業道に出ました。
ふるさと林道までもうすぐです。



今回の周回はふるさと林道横から三嶺北西尾根を登り、西熊山北尾根を下るルートを歩きました。
三嶺〜西熊山の縦走路以外は全ルート獣道をたどる非常に厳しいコースのため
詳しい地形図や磁石、GPSなどの装備は必ず必要です。

初心者が単に三嶺や西熊山への最短ルートだと気軽に考えてこのコースを登るのは大変危険です。
読図力や地形を見る目が備わった登山経験豊富な上級者が必ず同行し、余裕を持って行動してください。

厳しくて困難なルートですが他のルートに比べてより自然が豊かで登山者を虜にする魅力がここにはあります。
また、野生生物の生息域の真ん中を通っているため、彼たちの平和な生活を乱すことなくそっと通り抜けたいところです。